「一つの肉体の中に二つのSpiritが入る…という概念とは少し違うな」
マグワートはウィザットの質問に即答し、更に言葉を続けた。
「何故なら、Spiritそのものは一つ二つと数えるものではないからのう」
「え？でも人間は一つの肉体にそれぞれに一つずつのSpiritとSoulが入っている存在ですよね？」
マジョリアルがすかさず反応。
「確かに肉体は物質化している個体として一つ二つと数えられるが、SoulやSpiritは物質化はしていないので、基本的にはそういう数え方ではなく、Soulは確かにその人の思考や感情として独自のものではあるが、Spiritは今迄にも何回か説明した通り元々は個別な境界はなく、液体か気体の様なモヤモヤとした集合体で存在しているもので、自分の子供として生まれる筈だったSpiritが、何かの事情で生まれなかった場合、その人に近しい人の子供…例えば甥っ子や姪っ子に宿って生まれて来るケースもあるが、その際には甥っ子や姪っ子の肉体には二つのSpiritが入るのではなく、モヤモヤ状態で二箇所に分かれていたSpiritが一つに合体して入ることになるんじゃよ」
「でも…そうは言っても二人分のモヤモヤ量のSpiritが入るんですよね？そしたら二つと表現してもいいのでは？」
「ま、そうかも知れんのう」
「てことは通常の人の倍量のSpiritが入るってことだよね？そういう人は…二人分の人生を生きるのかい？」
「そうとも言えるのう。よってそういう人の人生は波乱万丈…よく言えば変化に富んでドラマティックに展開していく傾向になるみたいじゃ」
２０２５年８月１５日号につづく❣
