「「タイムスリップとパラレルワールドへのシフト体験はどう似ているんだい?」
ウィザットの質問にマグワートは顎髭を撫でながら暫し考えた後に次の様に答えた。
「実はタイムスリップや他の似た言葉としてのタイムリープ、タイムトリップ…これらは和製英語で、英語ではタイムトラベルかタイムワープと称するみたいじゃ」
「そう言えば第12話ではマグワートさんちには「ある時、過去から人がワープしてやって来る」という言い伝えがあるってことでしたよね」
マジョリアルの発言に
「そうじゃな、過去からワープして来るのがタイムワープで、単なるワープと言った場合は遠く離れた場所に瞬間的に移動する現象を表現していて、テレポーテーションとも言われる。いずれにしてもワープというのは第12話で触れた様に林檎の虫喰い穴に由来する名称のワームホールというショートカット的なトンネルを通って時空のある一点から別の地点に時空を超えて瞬間移動する現象じゃ。一方、タイムトラベルは瞬間移動と言うよりも時空を滑って移動する感じで、移動に数秒から数分といった時間を要するイメージかな。飽く迄もワシの見解じゃが…」
「それとパラレルワールドへのシフト体験はどう似ているんだい?」
再度ウィザットが同じ質問を繰り返す。
「本来は物事が確定した後に出現するパラレルワールドへのシフトは肉体があるワシらには不可能ではあるが、そもそも時空移動も肉体がある場合無理な筈じゃが、そういう出来事が事実としてあるとすれば…時空を超越して起きる現象としては似ている…という意味じゃ」
2025年3月14日号につづく❣